大正生まれの母は自宅で毎日のんびり過ごしている。
毎日テレビを観ながら呑気に居眠りをしている。
段々と年をとると1日の中で寝ている時間が多くなっている。

近年は物忘れが多いので同じ事を何度も聞いてくる。
本人は生け花古流の師範で花器や剣山類がゴロゴロと部屋に散らばっている。
ボケ防止に庭に咲いているバラを生けさせてみた。

要介護1だが往診や訪問看護リハビリなど福祉サービスの恩恵を受けている。

朝夕の食事は私が作るのだがほぼ完食で健康体である。
布団干しや掃除洗濯なども私の仕事だ。
場合によっては頭から爪先までアロママッサージのようにはいかないが全身を洗ってあげる。

先日はテレビを観ながら椅子に座った状態で眠る癖が定着していてお尻からズルズルと滑り落ちたそうだ。
半日程自宅で様子を診ていたが激痛らしく立てなくなったので救急車のお世話になった。
東戸塚の病院まで深夜の救急ドライブをして来た。
大殿筋や仙骨辺りをぶつけたらしいが跡が無く写真では骨折も無かったのでホッとした。

ヨロヨロで独りで立てないし歩けない母。
ついに来るべき介護が始まったのかと覚悟を決めたのだが2日程すると一人でスラスラ歩きまわる様になるまでに回復をした。

福祉用具会社から手摺やトイレそして紙パンツ類などを調達したが手摺以外は1回も使わずに用無しとなったのにはびっくりした。

先日は仕事の段取りで母の面倒が出来なくなったので初めてショートステイに預ける事にした。

自分が通っていた中学校の学区内に有る近所のホームで何かと助かった。
3泊4日のショートステイだったが自宅の生活と違い外界の刺激を受けたらしく本人の姿勢がシャキッとして
杖を使わずに自宅の階段を上り帰宅したのだ。

翌週は少し離れたホームに3泊4日預けたが元気に過ごしてくれたので助かった。
本人は職員さん方の接し方にとても満足したらしい。

みすぼらしい下着や服は断捨離をして新しく夏物を揃えて気分一新したのも良かったのだろう。

多分テレビを点けっ放しで今頃居眠りするといけないので洗濯物の取り込み命令を電話でしておいた。

始めは自分の都合で母を一人でショートステイに預ける事に抵抗が有った。
しかしながら預けないと仕事が出来ないしお互いの気分転換が出来ない。

初めてのショートステイで施設に対する偏見や勘違いが有り不安だった。
しかし結果として良いイメージが膨らみ大きな勉強をさせてもらった。

7月に沖縄へ出かけるので母をショートステイにまた預かってもらおう。